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LaTeXとは何か

LaTeX(「ラテフ」または「レイテック」と呼ばれます)は,文章の内容や構造を記述し,読みやすい形に組版するための文書作成システムです.数式を含むレポートや論文,講義ノート,書籍などでよく使われます.見出しや数式の番号付け,図表の参照,参考文献の整理といった処理を文書全体で統一しやすいことが特徴です.LaTeXプロジェクトの紹介

TeXとの関係

LaTeXは,TeXを土台として作られた文書作成システムです.CTANでは,LaTeXをTeXのためのマクロパッケージ(フォーマット)と説明しています.TeXが組版処理の基盤を担い,LaTeXは文書の構造を指定する命令や,よく使う機能を提供します.CTANのLaTeX紹介

たとえば,TeXの基本命令を一つずつ組み合わせる方法に比べ,LaTeXでは「ここは節の見出し」「ここから本文」といった文書の意味や構造を命令で表します.普段はLaTeXの命令を使って原稿を書き,TeXを処理するエンジンでコンパイルします.そのため,「LaTeXを書く」「TeXで組版する」という言い方が,関連する一連の作業を指して使われることがあります.

LaTeXで文書を作る流れ

基本的な作業は,次の3段階です.

  1. テキストファイル(拡張子は通常.tex)に本文とLaTeXの命令を書く.
  2. 文書に合ったLaTeXエンジンでコンパイルする.
  3. 出力されたPDFを確認し,原稿を修正する.

LaTeXは,画面上で文字の見た目を直接調整するワープロとは作業の考え方が異なります.原稿には,本文に加えて,文書の種類や見出し,数式などの構造を記述します.その指示をもとに組版して出力するので,見出しの書式や番号を文書全体でそろえやすくなります.

最小限の文書例

次の例は,LuaLaTeXと日本語クラスltjsarticleを使う短い文書です.

\documentclass{ltjsarticle}

\title{LaTeXで作る最初の文書}
\author{山田花子}
\date{}

\begin{document}
\maketitle

\section{はじめに}
これはLaTeXで作った文書です.
数式は $a^2+b^2=c^2$ のように本文中に入れられます.

\[
  1+2+\cdots+n=\frac{n(n+1)}{2}
\]
\end{document}

このソースをsample.texとして保存し,LuaLaTeXでコンパイルすると,本文と数式を含むPDFができます.この例を動かすには,ltjsarticleを含むTeX環境が必要です.

各部分の役割は次のとおりです.

  • \documentclass{ltjsarticle}は,文書の種類や基本的な書式を決める文書クラスを指定します.
  • \title,\author,\dateは,タイトル,著者,日付の情報を設定します.\maketitleでそれらを本文に表示します.
  • \begin{document}から\end{document}までが本文です.
  • \section{はじめに}は節の見出しを作ります.
  • $...$は本文中の数式,[...]は独立した行に置く数式を表します.

文書クラスとパッケージ

文書クラスは,文書の種類や基本的な構造を決めるものです.標準的なクラスには,短い記事向けのarticle,レポート向けのreport,書籍向けのbookがあります.日本語文書では,LuaLaTeX向けのltjsarticleなど,日本語組版に対応したクラスを使います.クラスの指定は,通常,原稿の先頭にある\documentclassで行います.

パッケージは,文書クラスに機能を追加する仕組みです.たとえば,数式の入力を拡張するものや,図を読み込むものがあります.使うパッケージは,\usepackageで読み込みます.

\documentclass{ltjsarticle}
\usepackage{amsmath}

文書クラスとパッケージは,役割に応じて選びます.初めての文書では,必要な機能だけを加えると,設定やエラーの原因を追いやすくなります.

LaTeXが得意なこと

LaTeXは,次のような文書を作るときに特に便利です.

  • 分数,根号,行列,積分などの数式を含むレポートや答案.
  • 章や節が多く,目次や番号を管理したい講義ノートや書籍.
  • 図表や定理に番号を付け,本文から自動で参照したい文書.
  • 参考文献や索引を一定の形式で整理したい論文や資料.

内容と構造を先に記述し,書式を文書全体に適用できるため,長い文書や同じ形式の文書を繰り返し作る場合に役立ちます.LaTeXプロジェクトも,複雑な数式,章立て,相互参照,参考文献,索引などを主な機能として紹介しています.LaTeXの機能

初めて使うときの進め方

最初は短い文書を用意し,見出しを1つ追加する,数式を入力する,といった小さな変更ごとにコンパイルしてみましょう.原稿のどの命令がPDFのどの部分に対応するかを確かめると,書き方を覚えやすくなります.

エラーが出たときは,まずエラーメッセージとその直前の原稿を確認します.LaTeXの命令は,括弧の対応や環境の開始・終了が合っていないと,後の行でエラーとして現れることもあります.短い例から一つずつ追加すると,原因を見つけやすくなります.

まとめ

  • LaTeXは,文書の内容と構造を記述し,読みやすく組版する文書作成システムです.
  • TeXを土台としており,TeXエンジンが組版処理を行います.
  • 文書クラスで文書の基本構造を選び,パッケージで必要な機能を追加します.
  • 原稿をコンパイルしてPDFを確認する流れで作成します.
  • 数式や長い文書の構造,番号,参照を一貫して管理したいときに便利です.

次の記事では,TeXとLaTeXの違いを整理し,どの場面でどちらの言葉を使うかを説明します.

参考資料

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