定数と変数
まず,定数と変数の違いを整理しよう.
- 定数→(このあとの議論で)値が変化しない,特定の値を持つ文字
- 変数→(このあとの議論で)値が変化したり,値が未知である文字
具体例で確認しよう.
- $x$についての$1$次方程式$2x+1=3$において,$x$の値は未知であるから,$x$は変数であり,それ以外は定数である.
- $a,b$を正の整数とする.$1$次関数$y=ax+b$において,$x,y$の値は(このあとの議論で)変化するから,$x,y$は変数であり,$a,b$は(このあとの議論で)変化しないから,$a,b$は定数である.
通常は,定数は数のことであり,変数は文字のことであると考えてよい.
単項式
次に,単項式の定義を理解しよう.
単項式→数(定数),文字(変数),数(定数)と文字(変数)の積で表される式
具体例で確認しよう.
- $-7$は数(定数)であるから,$-7$は単項式である.
- $x$は文字(変数)であるから,$x$は単項式である.
- $-2x^2y$は数(定数)$-2$と文字(変数)$x,x,y$の積であるから,$-2x^2y$は単項式である.
- $\sqrt{x}$は単項式でない.
- $\dfrac{1}{x}$は単項式でない.
単項式の係数・次数
次に,単項式の係数と次数の定義を確認しよう.
- 単項式の係数→単項式を構成する定数(数)の部分(すべての積)
- 単項式の次数→単項式を構成する変数(文字)の個数
$0$でない定数(数)の次数は$0$,$0$の次数は定義しない1.
具体例で確認しよう.
- 単項式$ー5$の係数は$-5$,次数は$0$である.
- 単項式$a$の係数は$1$,次数は$1$である.
- 単項式$6x^3y$の係数は$6$,次数は$4$である.
「着目する」という表現は,着目する文字を変数と考え,それ以外の文字は定数と考えるという意味である.
- $x$に着目すると,単項式$3xy$の係数は$3y$,次数は$1$である.
- $a,b$に着目すると,単項式$-4abcd$の係数は$-4cd$,次数は$2$である.
- $0=0x=0x^2=\dots $であるから,$0$の次数は一意に定まらない. ↩︎