解析学

微分積分学

コーシー列

極限値を求めることなく数列の収束性を判定する方法として,コーシー列の概念を導入する.コーシー列定義1$\{ a_n\} _{n=1}^{\infty}$を数列とする.任意の$\varepsilon >0$に対し,ある$N\in \mathb...
微分積分学

ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理

実数を特徴づける部分列の最も重要な性質であるボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理の主張と証明を解説する.ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理定理1(ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理(Bolzano-Weierstrass theo...
微分積分学

部分列

数列の項を順序を変えずに取り出すことによって得られる数列の性質について考える.部分列定義1$\{ a_n\} _{n=1}^{\infty}$を数列とする.狭義単調増加である正の整数の数列$\{ n_k\} _{k=1}^{\infty}$...
微分積分学

数列の単調性

数列の項の特徴として,その大小関係を考えることは非常に有効である.ここでは数列の単調性についての定義をまとめた.数列の単調性数列の単調性は,次の4つに分類できる.狭義単調増加$\forall n\in \mathbb{N},a_n<a_{n...
微分積分学

数列の極限と不等式

直接計算することが困難な数列の極限は,数列の不等式評価によってその極限を求めることができるようになる場合がある.数列の極限と不等式十分大きい$n\in \mathbb{N}$について,2つの数列$\{ a_n\}_{n=1}^{\infty...
微分積分学

数列の極限と四則演算

高校数学では曖昧にされてきた数列の極限の性質は,$\varepsilon -N$論法によって証明を与えることが可能になる.数列の極限と四則演算この記事では,次の定理に証明を与える.定理1$c\in \mathbb{R}$とする.数列$\{ ...
微分積分学

自然数・整数・有理数

微分積分学の土台となる数列の極限を理解するために,まずは数の集合について整理しておく.厳密な理論体系は集合論や数学基礎論の記事に委ねることにし,ここでは最低限必要な事柄に絞って解説する.自然数自然数とは\のような数である,と高校までの数学で...
微分積分学

上限と下限の性質

順序集合には上限と下限が定義され,特に実数の重要な性質である連続性の理解に欠かせない.ここでは,上限と下限の性質について詳しく解説する.上限と下限上限と下限の定義や基本的な性質は次の記事で詳しくまとめている.ここではその概要を簡単にまとめて...
微分積分学

実数の連続性

実数とは,ある17個の性質が成り立つ数の集合のことである.ここでは,そのうち実数の連続性に関わる性質について詳しく扱う.実数の公理日本の数学教育においては,算数で正の整数や$0$,正の有理数,円周率を教わり,中学数学で負の整数や負の有理数,...
微分積分学

最大値と最小値・上界と下界・上限と下限

実数を土台とした微分積分では,実数を用いて定義される集合上の関数を考え,微分や積分を行うことが多い.実数の大小関係を用いて,こうした集合の範囲を捉えることは非常に重要であり,ここではそのために必要な6つの指標を取り扱う.最大値と最小値実数の...