$n$を正の整数とする.座標平面上の$3n$個の点がなす集合
\[ \{ (x,y)\mid \text{$x,y$は$1\leqq x\leqq 3,1\leqq y\leqq n$を満たす整数}\} \]
から相異なる3点を選ぶ.ただし,どの3点も当確率で選ばれるものとする.選んだ3点が三角形の3頂点となる確率を$p_n$とする.
(1) $p_5$を求めよ.
(2) $m$を$2$以上の整数とする.$p_{2m}$を求めよ.
(2026年度 東京大学 前期 理系 第2問 / 文系 第2問)
当記事で紹介する解答は東京大学が示した解答ではありません.
(1)は確実に解いておきたい.
(2)は(1)の求め方を踏まえて,どのように考えればよいかを見抜けるかがポイント.
問題の難易度自体はそこまで高くないが,うまく論述するのが難しい.
まず,(1)について考えてみよう.
与えられた集合を図示すると,次のようになる.

この$15$個の点から,相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$を選ぶとしよう.
$x_1,x_2,x_3$は$1$以上$3$以下の整数であり,$y_1,y_2,y_3$は$1$以上$5$以下の整数である.
この3点$\rm A,B,C$が三角形の3頂点となるような場合について考えるのは難しい.そこで,三角形の3頂点とならない場合,すなわち,3点$\rm A,B,C$が同一直線上にあるような場合について考えよう.
最も分かりやすいのは,3点が縦一列に並ぶ場合や,横一列に並ぶ場合である.それ以外に,3点が斜めに並ぶ場合がある.
3点$\rm A,B,C$が縦一列に並ぶ,すなわち,$x_1=x_2=x_3$であるとき,$\rm A,B,C$が相異なる3点となるためには,$y_1,y_2,y_3$が相異なる必要がある.よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ 3\cdot {}_5\mathrm{C}_3=30\,(通り)\]
であることが分かる.
3点$\rm A,B,C$が横一列に並ぶ,すなわち,$y_1=y_2=y_3$であるとき,$\rm A,B,C$が相異なる3点となるためには,$x_1,x_2,x_3$が相異なる,すなわち,$x_1,x_2,x_3$が$1,2,3$の並び替えとなる必要がある.よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ 3\cdot 1=3\,(通り)\]
であることが分かる.
問題は,3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶ場合である.直感的に解き進めることはできるのだが,それを記述するとなると,少し難しい.そこで,3点$\rm A,B,C$を通る直線の方程式を考えよう.
2点$\rm A,B$を通る直線の傾きは$\dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}$である.このとき,$x_1\neq x_2$でなければならないことに注意しよう.この直線の方程式は
\[ y-y_1=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1)\quad \cdots (\rm i)\]
と表すことができる.文字が多くなり,式の処理が難しそうだが,工夫して減らすことができる.
3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶためには,$x_1,x_2,x_3$は相異なる必要がある.与えられた集合から相異なる3点を選んだとき,$\rm A,B,C$の記号の付け方に決まりはないから,$x_1=1,x_2=2,x_3=3$として良い.このとき,$\rm (i)$は
\[ y=(y_2-y_1)x+2y_1-y_2\]
と表すことができる.
さて,この直線は$(x_3,y_3)$すなわち$(3,y_3)$を通らなければならないから
\[ y_3=3(y_2-y_1)+2y_1-y_2=2y_2-y_1\]
となる.これで,$y_3$を$y_1$と$y_2$を用いて表すことができた.
$y_1,y_2,y_3$は$1$以上$n$以下の整数であるから
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 5&\\ 1\leqq y_2\leqq 5&\\ 1\leqq 2y_2-y_1\leqq 5&\cdots (\rm ii)\end{cases}\]
をすべて満たさなければならない.このような整数の組$(y_1,y_2)$の数が,3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶ場合の,3点の選び方の総数になる.
3つの不等式を満たす領域を図示すると,次のようになる.

よって,この領域上の点であって,$y_1$と$y_2$がともに整数であるようなものの個数を数えれば良い.
普通に数えてもよいのだが,(2)で一般化することを踏まえて,計算してみよう.
この領域において,$y_1$を固定すると,$\rm (ii)$より
\[ \frac{y_1+1}{2}\leqq y_2\leqq \frac{y_1+5}{2}\]
となっていることが分かる.この不等式を満たす$y_2$の個数を考えよう.
$y_1$が奇数のとき
\[ \frac{y_1+5}{2}-\frac{y_1+1}{2}+1=3\,(通り)\]
あり,$y_1$が偶数のとき
\[ \frac{y_1+4}{2}-\frac{y_1+2}{2}+1=2\,(通り)\]
ある.
$y_1$が奇数となるのは,$1,3,5$の$3$通り,$y_1$が偶数となるのは,$2,4$の$2$通りあるから,相異なる3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶような3点の選び方は
\[ 3\cdot 3+2\cdot 2=13\,(通り)\]
である.
以上より,相異なる3点$\rm A,B,C$が同一直線上にある,すなわち,3点$\rm A,B,C$が三角形の3頂点とならないような3点の選び方は
\[ 30+13=43\,(通り)\]
あり,求める確率は
\[ p_5=1-\frac{43}{{}_{15}\mathrm{C}_3}=1-\frac{43}{455}=\frac{412}{455}\]
ここまでの内容をまとめればよいのだが,3つの場合分け
- 3点$\rm A,B,C$が縦一列に並ぶ
- 3点$\rm A,B,C$が横一列に並ぶ
- 3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶ
を簡潔かつ明瞭にするために
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しい
↔3点$\rm A,B,C$が縦一列に並ぶ - $x_1,x_2,x_3$が相異なる
↔3点$\rm A,B,C$が横一列に並ぶ または 3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶ
とするとよい.
難易度:★★☆☆☆
与えられた集合の相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$が三角形の3頂点とならないとき,この3点は同一直線上にある.
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ 3\cdot {}_5\mathrm{C}_3=30\,(通り)\] - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,$x_1=1,x_2=2,x_3=3$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$y=(y_2-y_1)x+2y_1-y_2$であり
\[ y_3=3(y_2-y_1)+2y_1-y_2=2y_2-y_1\]
である.
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 5\\ 1\leqq y_2\leqq 5\\ 1\leqq 2y_2-y_1\leqq 5\end{cases}\]
であるから
\[ \frac{y_1+1}{2}\leqq y_2\leqq \frac{y_1+5}{2}\]
よって,$y_2$の選び方は,$y_1$が奇数のとき
\[ \frac{y_1+5}{2}-\frac{y_1+1}{2}+1=3\,(通り)\]
あり,$y_1$が偶数のとき
\[ \frac{y_1+4}{2}-\frac{y_1+2}{2}+1=2\,(通り)\]
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ 3\cdot 3+2\cdot 2=13\,(通り)\]
以上より
\[ p_5=1-\frac{30+13}{{}_{15}\mathrm{C}_3}={\color{red}\frac{412}{455}}\]
それでは(2)に移ろう.基本的には,(1)と全く同様に考えることができる.
$x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2=x_3$であることが分かり,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3$通りある.
$x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,$x_1=1,x_2=2,x_3=3$としてよく,直線$\rm AB$の方程式は
\[ y=(y_2-y_1)x+2y_1-y_2\]
となるから
\[ y_3=3(y_2-y_1)+2y_1-y_2=2y_2-y_1\]
であり
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m\\ 1\leqq y_2\leqq 2m\\ 1\leqq 2y_2-y_1\leqq 2m\end{cases}\]
を満たす領域上の点であって,$y_1$と$y_2$がともに整数であるようなものの個数を数えれば良い.
$y_1$を固定すると
\[ \frac{1+y_1}{2}\leqq y_2\leqq \frac{2m+y_1}{2}\]
となる.
このとき,$y_1$の偶奇によって,この不等式を満たす$y_2$の個数が変わる可能性があることに注意しよう.
$y_1$が奇数のとき
\[ \frac{2m+y_1-1}{2}-\frac{1+y_1}{2}+1=m\,(通り)\]
あり,$y_1$が偶数のとき
\[ \frac{2m+y_1}{2}-\frac{2+y_1}{2}+1=m\,(通り)\]
であるから,結果として$y_1$の偶奇に依らないことが分かった.
したがって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$2m^2$通りある.
以上より
\[ \begin{aligned}p_{2m}=&1-\frac{3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3+2m^2}{{}_{6m}\mathrm{C}_3}\\ =&1-\frac{3\cdot \frac{2m(2m-1)(2m-2)}{3\cdot 2\cdot 1}+2m^2}{\frac{6m(6m-1)(6m-2)}{3\cdot 2\cdot 1}}\\ =&1-\frac{m(2m-1)(2m-2)+2m^2}{m(6m-1)(6m-2)}\\ =&1-\frac{(2m-1)(m-1)+m}{(6m-1)(3m-1)}\\ =&1-\frac{2m^2-2m+1}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&\frac{18m^2-9m+1-2m^2+2m-1}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&\frac{16m^2-7m}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&\frac{m(16m-7)}{(3m-1)(6m-1)}\end{aligned}\]
ここまでの内容をまとめると,次のようになる.
難易度:★★★☆☆
与えられた集合の相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$が三角形の3頂点とならないとき,この3点は同一直線上にある.
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3$通り - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,$x_1=1,x_2=2,x_3=3$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$y=(y_2-y_1)x+2y_1-y_2$であり
\[ y_3=3(y_2-y_1)+2y_1-y_2=2y_2-y_1\]
である.
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m\\ 1\leqq y_2\leqq 2m\\ 1\leqq 2y_2-y_1\leqq 2m\end{cases}\]
であるから
\[ \frac{1+y_1}{2}\leqq y_2\leqq \frac{2m+y_1}{2}\]
よって,$y_2$の選び方は,$y_1$が奇数のとき
\[ \frac{2m+y_1-1}{2}-\frac{1+y_1}{2}+1=m\,(通り)\]
あり,$y_1$が偶数のとき
\[ \frac{2m+y_1}{2}-\frac{2+y_1}{2}+1=m\,(通り)\]
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$2m^2$通り
以上より
\[ \begin{aligned}p_{2m}=&1-\frac{3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3+2m^2}{{}_{6m}\mathrm{C}_3}\\ =&1-\frac{6m(2m-1)(2m-2)+12m^2}{6m(6m-1)(6m-2)}\\ =&1-\frac{(2m-1)(m-1)+m}{(6m-1)(3m-1)}\\ =&1-\frac{2m^2-2m+1}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&\frac{16m^2-7m}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&{\color{red}\frac{m(16m-7)}{(3m-1)(6m-1)}}\end{aligned}\]
$x_1,x_2,x_3$が相異なる場合は,次のように考えることもできる.
直線$\rm AB$は$y$軸に平行でないから,直線$\rm AB$の傾きを$k$とおくことができる.このとき
\[ \begin{aligned}y_2=&y_1+k\\ y_3=&y_1+2k\end{aligned}\]
となる.$y_2,y_3$は整数であるから,$k$は整数であることに注意しよう.$y_1$と$k$は不等式
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m&\\ 1\leqq y_1+k\leqq 2m&\cdots (\rm iii)\\ 1\leqq y_1+2k\leqq 2m&\cdots (\rm iv)\end{cases}\]
をすべて満たさなければならない.ここから$k$の範囲について考えると
\[ 1-2m\leqq 1-y_1\leqq k\leqq 2m-y_1\leqq 2m-1\\ \frac{1}{2}-m\leqq \frac{1-y_1}{2}\leqq k\leqq m-\frac{y_1}{2}\leqq m-\frac{1}{2}\]
となるから,共通部分をとることで,$k$の範囲が
\[ \frac{1}{2}-m\leqq k\leqq m-\frac{1}{2}\]
であることが分かる.特に,$k$は整数であるから
\[ 1-m\leqq k\leqq m-1\]
となる.
これで,直線$\rm AB$の傾きがとりうる値の範囲が分かった.次に,$y_1$のとりうる値について調べよう.
$\rm (iii),(iv)$より
\[ 1-k\leqq y_1\leqq 2m-k\\ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m-2k\]
であるが,ここから$y_1$の範囲を求めるには,$k$の正負によって場合分けをする必要がある.
$k\geqq 0$のとき
\[ 1\leqq y_1\leqq 2m-2k\]
であり,$k\leqq 0$のとき
\[ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m\]
であるから,結局,$y_1$の選び方は
$k\geqq 0$のとき$2m-2k$通りあり,$k\leqq 0$のとき$2m+2k$通りある.
したがって,相異なる3点$\rm A,B,C$が斜めに並ぶような3点の選び方は
\[ \begin{aligned}&2m+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)+\sum _{k=-1}^{1-m}(2m+2k)\\ =&2m+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)\\ =&2m+2\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)\\ =&2m+4\sum _{k=1}^{m-1}(m-k)\\ =&2m+4\left\{ m(m-1)-\frac{1}{2}m(m-1)\right\} \\ =&2m+2m(m-1)=2m^2\,(通り)\end{aligned}\]
あることが分かる.
ここまでの内容を(1)にも適用してまとめると,次のようになる.
与えられた集合の相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$が三角形の3頂点とならないとき,この3点は同一直線上にある.
(1) 難易度:★★☆☆☆
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ 3\cdot {}_5\mathrm{C}_3=30\,(通り)\] - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,直線$\rm AB$は$y$軸に平行でないから,直線$\rm AB$の傾きを$k$とおくと
\[ \begin{aligned}y_2=&y_1+k\\ y_3=&y_1+2k\end{aligned}\]
となる.$y_2,y_3$は整数であるから,$k$は整数である.また
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 5\\ 1\leqq y_1+k\leqq 5\\ 1\leqq y_1+2k\leqq 5\end{cases}\]
であるから
\[ -4\leqq 1-y_1\leqq k\leqq 5-y_1\leqq 4\\ -2\leqq \frac{1-y_1}{2}\leqq k\leqq \frac{5-y_1}{2}\leqq 2\]
したがって
\[ -2\leqq k\leqq 2\]
また
\[ 1-k\leqq y_1\leqq 5-k\\ 1-2k\leqq y_1\leqq 5-2k\]
であるから,$y_1$の選び方は,$k\geqq 0$のとき
\[ 1\leqq y_1\leqq 5-2k\]
の$5-2k$通り,$k\leqq 0$のとき
\[ 1-2k\leqq y_1\leqq 5\]
の$5+2k$通りある.
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ \begin{aligned}&5+\sum _{k=1}^2(5-2k)+\sum _{k=-1}^{-2}(5+2k)\\ =&5+\sum _{k=1}^2(5-2k)+\sum _{k=1}^2(5-2k)\\ =&5+2\sum _{k=1}^2(5-2k)\\ =&5+2\cdot (3+1)=13\,(通り)\end{aligned}\]
以上より
\[ p_5=1-\frac{30+13}{{}_{15}\mathrm{C}_3}={\color{red}\frac{412}{455}}\]
(2) 難易度:★★★☆☆
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3$通り - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,直線$\rm AB$は$y$軸に平行でないから,直線$\rm AB$の傾きを$k$とおくと
\[ \begin{aligned}y_2=&y_1+k\\ y_3=&y_1+2k\end{aligned}\]
となる.$y_2,y_3$は整数であるから,$k$は整数である.また
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m\\ 1\leqq y_1+k\leqq 2m\\ 1\leqq y_1+2k\leqq 2m\end{cases}\]
であるから
\[ 1-2m\leqq 1-y_1\leqq k\leqq 2m-y_1\leqq 2m-1\\ \frac{1}{2}-m\leqq \frac{1-y_1}{2}\leqq k\leqq m-\frac{y_1}{2}\leqq m-\frac{1}{2}\]
したがって
\[ 1-m\leqq k\leqq m-1\]
また
\[ 1-k\leqq y_1\leqq 2m-k\\ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m-2k\]
であるから,$y_1$の選び方は,$k\geqq 0$のとき
\[ 1\leqq y_1\leqq 2m-2k\]
の$2m-2k$通り,$k\leqq 0$のとき
\[ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m\]
の$2m+2k$通りある.
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ \begin{aligned}&2m+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)+\sum _{k=-1}^{1-m}(2m+2k)\\ =&2m+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k)\\ =&2m+4\sum _{k=1}^{m-1}(m-k)\\ =&2m+4\left\{ m(m-1)-\frac{1}{2}m(m-1)\right\} \\ =&2m+2m(m-1)=2m^2\,(通り)\end{aligned}\]
以上より
\[ \begin{aligned}p_{2m}=&1-\frac{3\cdot {}_{2m}\mathrm{C}_3+2m^2}{{}_{6m}\mathrm{C}_3}\\ =&1-\frac{6m(2m-1)(2m-2)+12m^2}{6m(6m-1)(6m-2)}\\ =&1-\frac{(2m-1)(m-1)+m}{(6m-1)(3m-1)}\\ =&1-\frac{2m^2-2m+1}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&\frac{16m^2-7m}{(3m-1)(6m-1)}\\ =&{\color{red}\frac{m(16m-7)}{(3m-1)(6m-1)}}\end{aligned}\]
同様にして,$2$以上の整数$m$に対して,$p_{2m-1}$を求めることもできる.
解答1の方法では,次のようになる.
与えられた集合の相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$が三角形の3頂点とならないとき,この3点は同一直線上にある.
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$3\cdot {}_{2m-1}\mathrm{C}_3$通り - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,$x_1=1,x_2=2,x_3=3$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$y=(y_2-y_1)x+2y_1-y_2$であり
\[ y_3=3(y_2-y_1)+2y_1-y_2=2y_2-y_1\]
である.
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m-1\\ 1\leqq y_2\leqq 2m-1\\ 1\leqq 2y_2-y_1\leqq 2m-1\end{cases}\]
であるから
\[ \frac{1+y_1}{2}\leqq y_2\leqq \frac{2m+y_1-1}{2}\]
よって,$y_2$の選び方は,$y_1$が奇数のとき
\[ \frac{2m+y_1-1}{2}-\frac{1+y_1}{2}+1=m\,(通り)\]
あり,$y_1$が偶数のとき
\[ \frac{2m+y_1-2}{2}-\frac{2+y_1}{2}+1=m-1\,(通り)\]
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ m^2+(m-1)^2=2m^2-2m+1\,(通り)\]
以上より
\[ \begin{aligned}p_{2m-1}=&1-\frac{3\cdot {}_{2m-1}\mathrm{C}_3+2m^2-2m+1}{{}_{6m-3}\mathrm{C}_3}\\ =&1-\frac{3\cdot \frac{(2m-1)(2m-2)(2m-3)}{3\cdot 2\cdot 1}+2m^2-2m+1}{\frac{(6m-3)(6m-4)(6m-5)}{3\cdot 2\cdot 1}}\\ =&1-\frac{(2m-1)(m-1)(2m-3)+2m^2-2m+1}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\\ =&1-\frac{4m^3-12m^2+11m-3+2m^2-2m+1}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\\ =&1-\frac{4m^3-10m^2+9m-2}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\\ =&\frac{36m^3-72m^2+47m-10-4m^3+10m^2-9m+2}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\\ =&\frac{32m^3-62m^2+38m-8}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\\ =&\frac{2(16m^3-31m^2+19m-4)}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\end{aligned}\]
解答2の方法では,次のようになる.
与えられた集合の相異なる3点$\mathrm{A}(x_1,y_1),\mathrm{B}(x_2,y_2),\mathrm{C}(x_3,y_3)$が三角形の3頂点とならないとき,この3点は同一直線上にある.
- $x_1,x_2,x_3$の少なくとも2つが等しいとき,$x_1=x_2$として一般性を失わない.
直線$\rm AB$の方程式は$x=x_1$であるから,$x_3=x_1$である.
よって,$y_1,y_2,y_3$は相異なるから,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は,$3\cdot {}_{2m-1}\mathrm{C}_3$通り - $x_1,x_2,x_3$が相異なるとき,直線$\rm AB$は$y$軸に平行でないから,直線$\rm AB$の傾きを$k$とおくと
\[ \begin{aligned}y_2=&y_1+k\\ y_3=&y_1+2k\end{aligned}\]
となる.$y_2,y_3$は整数であるから,$k$は整数である.また
\[ \begin{cases}1\leqq y_1\leqq 2m-1\\ 1\leqq y_1+k\leqq 2m-1\\ 1\leqq y_1+2k\leqq 2m-1\end{cases}\]
であるから
\[ 2-2m\leqq 1-y_1\leqq k\leqq 2m-1-y_1\leqq 2m-2\\ 1-m\leqq \frac{1-y_1}{2}\leqq k\leqq \frac{2m-y_1-1}{2}\leqq m-1\]
したがって
\[ 1-m\leqq k\leqq m-1\]
また
\[ 1-k\leqq y_1\leqq 2m-k-1\\ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m-2k-1\]
であるから,$y_1$の選び方は,$k\geqq 0$のとき
\[ 1\leqq y_1\leqq 2m-2k-1\]
の$2m-2k-1$通り,$k\leqq 0$のとき
\[ 1-2k\leqq y_1\leqq 2m-1\]
の$2m+2k-1$通りある.
よって,このような相異なる3点$\rm A,B,C$の選び方は
\[ \begin{aligned}&2m-1+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k-1)+\sum _{k=-1}^{1-m}(2m+2k-1)\\ =&2m-1+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k-1)+\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k-1)\\ =&2m-1+2\sum _{k=1}^{m-1}(2m-2k-1)\\ =&2m-1+2\cdot \left\{ (2m-1)(m-1)-2\cdot \frac{1}{2}m(m-1)\right\} \\ =&2m-1+2(m-1)^2=2m^2-2m+1\,(通り)\end{aligned}\]
以上より
\[ \begin{aligned}p_{2m-1}=&1-\frac{3\cdot {}_{2m-1}\mathrm{C}_3+2m^2-2m+1}{{}_{6m-3}\mathrm{C}_3}\\ =&\frac{2(16m^3-31m^2+19m-4)}{(2m-1)(3m-2)(6m-5)}\end{aligned}\]

